「傷害罪,暴行罪」について

「傷害罪」とは,人に傷害を負わせた(けがをさせた)ときに成立する犯罪です。けがをさせる手段の一つに暴行がありますが,人に対して暴行を加え,けがをしなかった場合には「暴行罪」が成立します。暴行以外の手段による傷害として認められるものは,病毒を感染させる行為,人に大音量を聞かせ続けて頭痛症などにする行為,外傷後ストレス障害(いわゆるPTSD)にさせる行為などがあります。

また,暴行といわれて,最もイメージしやすいのは殴る,蹴るなどです。しかし,これ以外にも,人に向かって物を投げたり,服をつかんで引っ張ったり,人の近くで木刀を振り回したりするなど,他人に向けた物理的な力(いわゆる有形力)の行使と認められれば「暴行」にあたります。つまり,人の身体に接触した場合には,けがをする恐れがなくても暴行となり,逆に,けがをする恐れがあれば,人の身体に接触しなくても暴行となります。

法定刑は傷害罪が重く,15年以下の懲役又は50万円以下の罰金が定められています。(刑204条)。一方,暴行罪は,2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料と定められています。

「傷害罪」や「暴行罪」で検挙されたら

傷害罪や暴行罪の嫌疑がかけられた場合,常に逮捕されるわけではありません。たとえば,犯行を否定していたり,逃亡するおそれがあるとみなされたり,被害者を脅して被害届を取り下げさせるおそれがあるとみなされたりして逮捕の要件があると警察官が判断し,逮捕状が裁判所から発布された場合は逮捕されることになります。

逮捕された場合,まず,警察官からの取調べを受けます。その後,48時間以内に検察庁に送致されて検察官から取調べを受けます。その際に,検察官が勾留が必要だと判断すれば,更に24時間以内に裁判所に勾留請求されます。勾留が認められれば,最低10日間,必要に応じて延長が認められれば最長20日間勾留されることがあります。勾留されたまま起訴され,保釈されなければ,判決まで釈放されないこともあります。
この間,逮捕・勾留された方は警察署の留置施設や拘置所に拘束され,自由に外部と連絡をとることもできません。

逮捕されずに取調べを受け,検察庁に送致された場合,検察庁に呼出しを受け,検察官から取調べを受けます。その後,起訴,不起訴の判断がなされますが,起訴されれば裁判を受けることになり,原則として前科がつくことになります。初犯でも,罰金刑以上の刑が科されることが多いです。
このように,傷害罪や暴行罪で警察から検挙された場合,大きな社会的・経済的リスクがあります。
から検挙された場合,大きな社会的・経済的リスクがあります。

すぐに弁護士にご相談ください

すぐに弁護士に相談いただくことで,早期に対応することができます。軽微な事案であれば,逮捕される前に慰謝料を支払い,示談交渉を行うなどし,逮捕・勾留を避けることも可能です。特に,傷害罪や暴行罪は,被害者がはっきりしている事件なので,けがの程度が著しいなどの事情がない限り,被害者が処罰を望まない場合,処罰される可能性は相当程度下がるといえるでしょう。

もし,逮捕されてしまった場合,自ら又は加害者の周囲の人が被害者と示談交渉をするのは困難になります。無理に示談交渉を進めようとして被害者の印象を悪くし,厳しい処罰を求められることもあります。

刑事事件に詳しい弁護人であれば,すぐに示談の申入れ,意見書の提出,勾留に対する準抗告等の弁護活動を行うことで,早期釈放や不起訴処分も目指せます。裁判においては、長年の検事の経験からこちらに有利な証拠を適切に選び、裁判官に主張することで,できうる限り軽い処分を目指します。

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当事務所には,検事として長年刑事事件の捜査・裁判を担当し,刑事関係の法令が実際の捜査・裁判の中でどのように運用されているのかという実態に精通した弁護士2名が在籍しており,この2名が中心となって,どのような刑事事件であっても的確な見通しを立て,充実したサポートをすることが可能な態勢を整えています。

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