刑法に「痴漢」,「盗撮」という罪はありません。「痴漢」,「盗撮」は,条例で禁止された行為であり,福岡県では,福岡県迷惑行為防止条例の第6条「卑猥わいな行為の禁止」に定められています。

「痴漢」とは

公共の場所や公共の乗物などにおいて,正当な理由なく人を著しく羞恥させ(恥ずかしい思いをさせる),または人に不安を覚えさせるような方法で,他人の身体に直接触れ,または衣服の上から触れることが条例で禁止されている行為となります。また,触れるとは,手で触ることに限定されず,自分の身体のどこかを他人の身体に接触させることをいいます。電車の中で身体を押しつける行為なども痴漢に該当することになります。

痴漢の法定刑は,6月以下の懲役または50万円以下の罰金です(同条例第11条第2項)。
ただし,常習的に痴漢の罪を犯した場合は,特別に罰則が定められており,該当すれば,法定刑は1年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。

「盗撮」とは

痴漢と同じ卑わいな行為として条例で禁止されています。具体的には,公共の場所や公共の乗物などにおいて,正当な理由なく,人を著しく羞恥させ,または人に不安を覚えさせるような方法で,通常衣服で隠されている他人の身体又は他人が着用している下着をのぞき見したり,写真機等で撮影することです。また,そのような目的で写真機等を設置したり,他人の身体に写真機等を向けることも処罰の対象となります。

盗撮の法定刑は痴漢と同じく6月以下の懲役または50万円以下の罰金です。また,常習的に盗撮の罪を犯した場合は,特別に罰則が定められており,該当すれば,法定刑は1年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。

「痴漢」「盗撮」で捕まったらどうなるの?

痴漢や盗撮の犯人として捕まってしまった場合,必ず逮捕されるわけではありません。ただし,現行犯人は警察官でなくても逮捕することができるので,現行犯人として駅員や周囲にいた人にその場で逮捕されて警察に引き渡されてしまう可能性はあります。また,仮にその場で現行犯人逮捕されなくても,後日,逮捕される可能性も否定できません。もし,逮捕された後,そのまま勾留されてしまった場合,最長で20日間は留置場や拘置所などで身柄を拘束されます。

逮捕されずに警察官から取調べを受け,検察庁に送致された場合,検察庁に呼出しを受け,検察官から取調べを受けます。その後,起訴,不起訴の判断がなされますが,起訴されれば裁判を受けることになり,原則として前科がつくことになります。
このように,「痴漢」,「盗撮」で警察から検挙された場合,大きな社会的・経済的リスクがあります。

すぐに弁護士にご相談ください

すぐに弁護士に相談いただくことで,早期に対応することができます。逮捕される前に被害者と示談をすることができれば,逮捕・勾留を避けることも可能です。犯人や犯人の関係者が被害者と直接話をすることで,被害感情が悪化する場合もあります。弁護士が間に入って示談交渉を行うことで,スムーズに話がまとまるケースが多くあります。もし,逮捕された場合,突然の逮捕に家族や職場とも十分に連絡が取れない中,本人は大変な不安に襲われます。

信頼できる弁護士が間に入ることで,間接的に家族や職場とも連絡をとることができます。すぐに示談の申入れ,意見書の提出,勾留に対する準抗告等の弁護活動を行うことで,早期釈放も目指せます。また,絶対に「痴漢」「盗撮」をしていない,無実を証明したいという場合には,罪を犯していないという証拠をできるだけ早く多く収集し,検察官や裁判官に提出する必要があります。当事務所には,元検事の弁護士が2名おり,そのキャリアからどのような証拠が必要か的確に判断することができます。

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