痴漢えん罪について

全く身に覚えがないのに痴漢や盗撮の犯人と間違えられ,犯人扱いされたというケースをお聞きしたことがあるでしょうか。いわゆる「痴漢冤罪(えん罪)」です。

話せば分かってくれると思って自分で対応しても,警察が全く言い分を聞いてくれず,目撃者や被害者の話のみで事件化され,否認事件として検察官に事件送致されるというケースも考えられます。
そうなった場合,長期間にわたり,刑事事件の対応に労力を割かれることになります。

特に痴漢となると,やっていないという証拠を出すことは難しく,目撃者や被害者の話や被害再現見分などで「やった」という証拠がどんどん作られていく可能性があります。

では,実際に自分が痴漢の犯人と間違えられた場合,どのように対応すればよいでしょうか。

突然理不尽な目に遭って逃げたい気持ちや怒りの気持ちが沸くのは分かりますが,まず,大事なことは「逃げない」ということです。
逃げようとするということは,その行為自体が犯人であることを疑わせる事情となります。
そして,必ず,「やっていない」ということを主張してください。
また,持ち物検査などを求められたら,隠さず,毅然と対応してください。やっていないのにどうして見せなければいけないのかと感じるかと思いますが,何か隠していると思われ,疑いが強くなると強制捜査を受ける可能性もあります。

それでも疑いが晴れない場合,弁護士に依頼して事情を説明してもらうことなども検討してください。
実際に,痴漢のえん罪で警察官からの取調べに弁護士が同行し,警察官に状況の矛盾点などを説明して立件されずにすんだというケースもあります。

警察も,最初はどちらの言い分も半信半疑のはずですから,早い段階での弁護士からの冷静かつ客観的な指摘により,早期に誤解を解くことができるはずです。

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