取調べを受ける際の注意点

取調べとは

取調べは,警察官や検察官などの捜査官が,事件の関係者(被疑者,被害者,目撃者など)から,事件に関係する事情を聴き取る捜査手法です。事件の内容(どんなことがあったのか)を調べるために行われます。


  一般には,事件の被疑者に対して行われる聴取を「取調べ」と呼ぶことが多いと思われますが,被疑者だけではなく,被害者や目撃者などの事件関係者に対して行われる聴取も「取調べ」と呼ばれます。


  ここでは,事件の被疑者に対して行われる取調べの注意点について説明します。

取調べの注意点

黙秘権

 最も大切な注意点は,黙秘権があるということです。


  取調べを行う場合,捜査官は,必ず黙秘権があることを告げなければならないことになっています。
  黙秘権は,話したくないことは話さなくて良いという権利です。
  捜査官の質問に対して,何も話さないということもできますし,個別の質問に対してのみ話さないということもできます。
  黙秘権は,被疑者に保障されている権利ですので,黙秘権を行使して黙秘した場合でも,それ自体を理由に不利益な取扱いをされることはありません。


  ただ,関与を疑われている事件について重要なことを話さないということが,逃亡したり,証拠を隠滅したりする可能性を基礎付ける理由の一つとして考慮されてしまうケースもありますので,注意が必要です。

供述調書

 捜査官が被疑者の取調べを行う場合,被疑者が話したこと(供述)をまとめた供述調書が作成されることがあります。
  供述調書は,取調べを行った捜査官が,被疑者の供述を文章にしてまとめて作成します(通常はパソコンのワープロソフトを使って作成しますが,手書きで作成することもあります)。


供述調書が完成すると,捜査官が内容を読み上げ,被疑者が供述調書の内容を読んで,内容を確認します。
内容の確認を終えると,捜査官から,供述調書に署名・押印(または指印)を求められます。
注意しなければならないのは,供述調書に署名・押印した場合,その供述調書が,裁判で証拠として使われる可能性があるということです。


署名・押印のある供述調書は,そこに書かれている内容を供述したという証拠になります。
取調べで話していない内容が書かれている供述調書でも,署名・指印してしまうと,後で裁判で覆すのが大変難しくなります。
供述調書を作成する際には,必ず,内容をよく読んで確認してください。
一度読んだだけではきちんと確認できなかった場合には,「もう一度読ませてください。」などと言って,何度でも確認することができます。


また,供述調書の内容が,自分が話したことと違っている場合や,書き加えてほしい事項,削除してほしい事項がある場合には,それを捜査官に伝えてください。捜査官は,修正,追加,削除の申し立てに従わなければなりません。
供述調書に署名・押印しなければならない義務はありませんので,供述調書の内容が,自分が話していることと違っている場合,修正,追加,削除を申し立てたのに,それを反映してくれない場合はもちろん,自分が話した内容に間違いなくても,署名・押印を拒否することができます。

取調べを受ける際の注意点のまとめ

  捜査官の中には,質問に対して答えるのが当然,供述調書には署名・押印するのが当然であるかのような態度をとる人もいますが,黙秘権があること,供述調書の内容の修正,追加,削除を要求できること,供述調書の署名・押印は拒否できることに注意してください。

筆者プロフィール

弁護士 二瓶祐司 
  • 平成10年 東京都立立川高等学校卒業
  • 平成16年 最高裁判所司法研修所入所(58期)
  • 平成17年 検事任官(東京地方検察庁、福岡地方検察庁、大阪地方検察庁等)
  • 平成27年 福岡地方検察庁飯塚支部支部長
  • 平成29年 東京地方検察庁
  • 令和 3年 弁護士登録(福岡弁護士会)

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